JPロジスティクスグループ様は、日本郵政グループの一員として、主にロジスティクスとフォワーディング事業を展開し、全国規模で利用運送業務を行っており、物流業界で重要な役割を担っています。
従業員数は単体で40名ほど。4つの拠点を持ち、物流サービスを提供しています。特徴的なのは、自社でトラックやドライバーを抱えるのではなく、外注先を活用して柔軟な運送体制を構築している点です。
そんなJPロジスティクスグループ様は、月に300〜400件もの支払い処理が発生する中、従来は紙ベースでの管理が中心である点に悩まれていました。
経理業務や購買の意思決定から支払い処理まで、多くのプロセスが紙の書類を介して行われていたのです。
そんな課題を、マネーフォワードクラウドを活用したナレッジラボのコンサルティングによってどの様に解決したのか?を伺います。
御社のバックオフィスにおいて、どの様なことが課題とされていましたか?
私たちが直面していた主な課題は、以下の通りでした。
1. 紙ベースの処理による非効率性:
請求書や支払い伝票など、大量の紙書類を扱うことで、処理に多くの時間とコストがかかっていました。
2. データの連携不足:
電子稟議システムは導入済みでしたが、他のシステムとの連携がなく、データの一元管理ができていませんでした。
3. 在宅勤務への対応困難:
紙の書類を扱う必要があるため、コロナ禍での在宅勤務に対応できず、業務の継続性に課題がありました。
4. 経費処理の遅延リスク:
出張などで担当者が不在の際、紙の書類処理が滞り、月次決算に影響を与えるリスクがありました。
5.電子帳簿保存法への対応:
2022年1月1日から施行される改正電子帳簿保存法に対応するため、早急なシステム導入が必要でした。
特に、電子帳簿保存法への対応と、内部統制を考慮したワークフロー作りについては、頭ではできるつもりなのですが、実際の設計については経験がなく不安でした。
解決策はどの程度検討して、どの方法にきめましたか?
課題解決のための検討過程は以下の通りです。
- 電子帳簿保存法対応の緊急性認識:
2022年1月1日からの法改正に対応するため、約1ヶ月という短期間で集中的に検討を行いました。 - 請求書保管サービスの検討:
まず、電子帳簿保存法対応の核となる請求書保管サービスの導入を検討。しかし、これだけでは効果が限定的と判断しました。 - 総合的なERP構築の検討:
社内の業務効率化も同時に実現するため、請求書保管だけでなく、総合的なERPの構築を視野に入れました。 - クラウドサービスへの注目:
自社開発やライセンス購入型のソフトウェアも検討しましたが、設定をするリソース不足や運用の難しさから、クラウドサービスに注目しました。 - 複数サービスの比較:
マネーフォワードクラウド以外にも、複数のサービスを比較検討しました。
【決め手となった理由】
- 総合的なソリューション提供(請求書保管、経費精算、債務支払い、会計システムなど)
- クラウドベースでの運用のしやすさ
- ナレッジラボによる設定サポートサービスの存在
- マネーフォワードとナレッジラボの強い連携
これらの理由を総合的に判断し、最終的にマネーフォワードクラウドの導入を決定しました。特に、ナレッジラボによる手厚いサポートが、短期間での導入と円滑な運用開始を可能にする重要な決め手となりました。
この決定プロセスにより、法令順守と業務効率化を同時に実現するための解決策を選択することができたと振り返っています。
検討の結果、具体的に、どの様に解決手段がなされましたか?
以下の取り組みを行いました。
1. マネーフォワードクラウドの導入:
経費精算、債務支払い、会計plusなど、複数のサービスを一括導入し、業務のデジタル化を推進しました。
2. ナレッジラボによる設定サポート:
システム導入にあたり、ナレッジラボのコンサルティングサービスを活用しました。現状の業務フローを分析してもらい、最適な設定をサポートしてもらいました。
3. 社内への丁寧な説明:
管理部門が中心となり、現行のフローと新しいフローを図式化して比較し、説明しました。社員へは新しいワークフローのメリットを具体的に示し、理解頂けるよう促しました。
4. 段階的な導入と社員教育:
導入前の説明会や、導入後の研修会を実施しました。細かい業務フローの手順書を作成し、スムーズな移行を目指しました。
5. 電子帳簿保存法対応:
法改正に合わせてペーパーレス化を進め、コンプライアンス面でも万全を期しました。これらの取り組みにより、業務プロセスの大幅な改善を図りました。
特に、社内への丁寧な説明は重要だったと思います。紙の処理がなくなることで、作業担当者の方のパンパンに埋まっていたスケジュールがどれだけ空くか、という説明が特に効果的でした。具体的には、ワークフローを1ヶ月の業務スケジュールに合わせてフローチャートで書き出して、それを見せながら「この部分がクラウド化によって必要なくなりますよ」という説明をしました。
導入の結果、どうなりましたか?
以下の成果を得ることができました。
- 業務効率の大幅な向上:
紙の書類処理が減少し、月に6日程度かかっていた作業時間を大幅に削減できました。 - リモートワークの実現:
在宅でも経理業務が行えるようになり、コロナ禍でも業務の継続性が確保されました。 - データの一元管理:
各システム間のデータ連携が実現し、正確かつ迅速な経営判断が可能になりました。 - コンプライアンスの強化:
電子帳簿保存法に対応し、法令順守の体制を整えることができました。 - 社員の満足度向上:
業務の効率化により、働き方の柔軟性が増し、社員の満足度が向上しました。
導入から3ヶ月が経過し、大きな支障なく月次決算や関連業務が進行しています。社員からも、在宅勤務が可能になったことへの前向きな声が聞かれるようになりました。
ナレッジラボのコンサルティングサービスやマネーフォワードのサービスについて、特にどこがメリットとして大きかったですか?
JPロジスティクスグループが特に評価しているポイントは以下の通りです。
1. 包括的なソリューション:
経費精算から債務支払い、会計まで一貫したサービスを提供し、業務全体の効率化を実現しました。
2. クラウドベースの利便性:
システム担当者が少ない中でも、クラウドサービスにより柔軟な運用が可能になりました。
3. ナレッジラボの手厚いサポート:
導入時の設定から運用後の細かな相談まで、迅速かつ丁寧な対応をしていただけました。
4. マネーフォワードとの連携:
ナレッジラボとマネーフォワードとの強い連携を感じられ、安心して利用できる環境が整いました。
5. カスタマイズの柔軟性:
業務フローに合わせた細かな設定が可能で、企業特有のニーズに対応できました。
特にナレッジラボの土田さんには小さいことも相談に乗っていただき、さらに迅速に動いて頂き、本当に助かりました。
バックオフィスの業務改善に関する今後やりたいことがあれば教えて下さい。
今後は人事系や販売管理システムとの連携も視野に入れており、さらなる業務の効率化と完全ペーパーレス化を目指しています。マネーフォワードクラウドとナレッジラボのサポートにより、JPロジスティクスグループの業務改革は着実に進行しています。