卸売業や商社が業務を見直す際のチェックポイント ~営業編その2~

卸売業や商社は、長い取引関係を築いてこられた昔からの得意先から最近取引が始まった得意先まで、いろいろな得意先との関係を構築しながら、事業展開されています。

他の業種と比べても多くの得意先と大小さまざまな取引をされている会社が多く、将来にわたって信頼関係を構築し続けていくことが営業における大きなテーマになっています。

今回は、「最近、営業担当が減って十分な対応ができていない」とか「得意先からのクレームが増えてきて、困っている」など、営業上の問題を解決していくための営業業務の見直しについて、解説したいと思います。

ポイント1 得意先のランク分け

まず、最初に質問ですが、あなたの会社では、既存得意先の対応についてどのような業務分担をされていますか。

中小企業の場合、ベテランの営業担当者は、古くからの上得意先を担当し、若手の営業担当者や経験の浅い担当者が小さい会社を担当するなど、会社単位で営業担当が分かれているケースが多いのではないかと思います。

そのような中で、例えば、営業担当者が3名の場合、既存得意先が100~200社とある会社であれば、営業担当者の担当社数は一人で数十社になることもあると思います。

となると、仲のいい担当者がいる得意先、居心地のいい得意先ばかりに足が向かい、結局は担当がたくさんあっても、よく顔を出す得意先は限られてくるということになりがちです。

また、自分の担当が仮に50社あるとした場合、営業担当者が考える50社の優先順位と、社長や営業部長が考える優先順位が必ずしも一致するとは限りません。

全然違うこともよくあります。

このような状況の中で、営業担当者に大枠だけ指示して、後は任した。みたいな営業管理をすると、なかなか思った成果は出ないと思います。

それでは、どうすればよいのか?

会社として得意先ランクを決め、そのランクごとに営業方針を明確に決めていく

ということが重要になります。

ここでポイントとなるのが、ただ単に、得意先をランク分けしたらいいというものではない、ということです。

まずは、例えば、得意先ランクをA、B、Cの3つに分けるとして、Aが一番重要な得意先グループだとした場合、何を持って重要なのか?という点です。

よく、ランク分けをする際に、取引額が大きいからAランクとされているケースがありますが、これだけでは十分でないと思います。

あなたの会社にとって重要な得意先は、あなたの会社をきっちりと評価してくれていて、今後の取引拡大の可能性がある会社ではないでしょうか。

仮に、今の取引規模は小さくても、あなたの会社を評価してくれていて、将来の伸びしろがある会社に丁寧にアプローチすべきです。

現在の取引額の大きな得意先は、あなたの会社にとって「果実」であり、収穫すればなくなってしまうかもしれません。

そのため、今はまだ「種」であるけど、将来の可能性を秘めた会社に対する営業活動を常にし続けなければなりません。

したがって、現在の取引規模の大きい会社は、現時点のビジネスの基盤となっている得意先ですので当然に重要ですが、それだけではなく、将来の可能性を秘めた得意先を選び出し、顧客ランク分けをしていくための仕組みが重要となります。

この点については、「卸売業や商社が業務を見直す際のチェックポイント ~営業編その1~」のポイント②で触れていますので、ご確認頂けると幸いです。

ポイント1 営業スケジュール管理

ポイント1で戦略的に注力すべき得意先が明確になりました。

次に重要なのは、各営業担当者が重要性の高い得意先をいかに計画的にアプローチしていくか、ということになります。

営業スケジュールの組み方

まず、Aランクの会社からスケジュールを組んでいきます。

Aランクの会社の中でも、今のメイン得意先と将来拡大の可能性がある得意先では動き方が違ってくると思います。

そこで、Aランクだからといって一律に決めるのではなく、まずは、Aランクの会社を個別に特性や取引内容、営業実績などを考慮しながら各担当者のスケジュールを埋めていきます。

この際に、重要なのは、ただ訪問予定を埋めていくだけではなく、

① 訪問の目的は何か?

② どんな情報を収集するか?

を明確に決めておくことです。

そして、訪問後は、必ず、①の目的が達成できたか?②の収集した情報がどのようなものか?

を営業担当者がまとめ、社長や営業部長に報告できるようにします。

ポイント3 営業日報をスケジュール管理に組み込む

よく、営業日報を運用している会社があります。

しかし、「あまり効果がない」とか「意味がないのでやめてしまった」という話もよく聞ききます。

これはなぜか?というと、営業日報の目的があいまいになっていているからだ、というケースが非常に多いです。

営業日報の目的が明確でないから、営業日報を書く営業担当者も何を書いたらよいかわからない、よくわからない営業日報にて報告を受ける社長や営業部長も、報告内容がピンとこない。

ということになります。

そこで、営業日報の目的を先ほどの①訪問の目的と②収集する情報の結果について必ず報告することと明確に決めてしまえば、営業担当者の営業でのアクションが明確になりますし、報告を受ける社長や営業部長も明確な報告を受けることができます。

こんな感じで営業日報を営業スケジュール管理の仕組みとして組み込んでいくことで、より効果的なスケジュール管理ができるようになります。

営業スケジュール表の社内共有

営業スケジュールを各営業担当者の手帳だけで管理している会社が多くありますが、これも営業スケジュール管理をしづらくしている理由のひとつとなります。

営業スケジュール表は、営業部門内において1ヶ月単位で全員が見えるようにしておくことがポイントとなります。

営業スケジュールが社内で共有されていることで、営業担当者の動きがひと目でわかるとともに、営業担当者としても社長や営業部長、他の営業担当者に見られているという意識を持つことになるので、計画したとおりに行動しなければいけないという動機づけにもなります。

できれば、各自が持っているパソコンやスマートフォンでスケジュール表を見れるようにしておくことが便利です。

サイボウズなどのグループウェアを用いたり、ドロップボックスなどのファイル共有ソフトを使えば、エクセルで作成した予定表を社内のパソコンやスマートフォンなどでいつでも見たり、変更したりできます。