製造業が業務を見直す際のチェックポイント ~営業編その2~

多くの製造業、特に中小、零細規模の会社において、営業に大きな課題を抱えているケースをよく見てきました。

特に、これまでは大手企業の下請け型のビジネスを展開していたり、商社経由で販売していたりという会社において、売上は得意先からの受注があって初めて成り立つものとの過去からの流れから、なかなか自社で営業して売上を伸ばしていくというイメージを持てない会社が多いのではないかと思います。

今回は、製造業が既存の得意先に対して行う営業について、業務を見直していく際のチェックポイントを紹介します。

ポイント1 営業する際のチェックリスト

あなたの会社では、営業は主にどなたがされていますでしょうか?

経営者の方がされる場合もあれば、営業担当者が担当されていることもあると思います。営業担当者でも、営業で成果を出している人とそうでない人がいます。

多くの中小企業において、担当者によって営業成果が全然違うという課題を抱えていらっしゃいますが、これは解決できない問題なのでしょうか?

私たちは、いろいろな会社で多くの営業担当者の方とお話をしてきました。その中で、営業成績があまりよくない方からよく聞かれるのは、

「社長からはお客様を回ってこいと言われるが、何をしたらよいかわからない」

とか

「値段を下げないと買ってもらえない」

という話です。

一方で、優秀な営業担当者の方とお話をすると、うまくお客様の困っていることや課題を聞き出して、素早い対応をしながら、信頼を得ていることが多いと感じます。

このような差はなぜ生まれるのでしょうか?

もちろん、優秀な営業担当者は、これまでの経験が豊富とか、物怖じしない性格とかロジカルに物事を考えるなど個人的な部分も多いのも事実です。

しかし、営業が苦手な担当者がただ知らないだけ、というものもあります。

それは、お客様の課題や問題点の聞き出し方です。

営業が得意な担当者が、普段お客様と接する際にお客様の課題や問題点をうまく聞き出しているポイントをまとめて、チェックリストにする。

それで、これをもとにロールプレイングする。あとは、現場で場数をこなす。

営業が苦手な担当者が、きっかけをつかんでくれることになると思いますので、もし今まで営業時にチェックリストを使っていないのであれば、ぜひお試しください。

ポイント2 顧客のランク分け

既存顧客が50社、100社、200社とある会社の場合、営業担当者の担当者数は一人当たり数十社になることもあると思います。

これをすべてカバーするのは物理的に不可能です。

となると、話をしやすい得意先、大口の得意先ばかりに足が向かい、結局は担当が数十社あっても、普段接点をもっている得意先は数社のみ、

ということもあるのではないでしょうか?

これは、営業担当者が悪いのではありません。

顧客を絞り込んでいない戦略の問題です。

限られた営業リソースを徹底的に有効活用するために、顧客をランク分けして、戦略的な営業をしていきます。

例えば、、、

既存の顧客が仮に100社あり、これを3名で担当する場合、既存顧客をA、B、Cの3つに

Aランク 10社

Bランク 20社

Cランク 70社

くらいと選定していきます。

Aランクの会社は、ただ単に取引額が大きい先というのではなく、自社をきっちりと評価してくれている得意先、今後の伸びしろが期待できる得意先、利益率がよい得意先というように、将来の利益拡大が期待できる得意先を選定し、営業担当者3名で徹底的に信頼関係の構築に向けた営業活動をしていきます。

Bランクの会社は、今後大きな伸びしろは期待できないものの、事業を行っていく中で守っていくべき得意先、大きく減らすことができない得意先等を選定し、こちら側からの営業を定期的にかけていく先とします。

Cランクの会社は、採算が取りにくい得意先やクレームが多く目に見えないコストが発生している得意先など、積極的な取引をしていきたくない得意先を選定し、基本的には、引き合いがない限りこちらから営業はかけていかない得意先を残していくこととします。

こうすることで、営業担当者がどの得意先に対して注力した営業活動をしていけばよいのか明確になり、効果的な営業が可能となります。

ポイント3 営業スケジュール管理

ポイント2で戦略的に注力すべき得意先が明確になりました。

次に重要なのは、各営業担当者がA、Bランクの得意先をいかに計画的にアプローチしていくか、ということになります。

例えば、

Aランクの得意先:毎週1回は訪問

Bランクの得意先:月に1,2回訪問

とアプローチ頻度を計画します(この計画も、当然のことながら、会社ごとの特性に応じて変わってきます)。

そして、1ヶ月単位で、営業担当者毎にいつ、どこに、どのような目的をもってアプローチ(訪問、電話、メールなど)をするかを決め、これを経営者と営業責任者(営業部長など)と営業担当者がいつでも見ることのできる営業スケジュール表に記載していきます。

営業会議をされている会社も多いと思いますが、

営業会議では、

  • Aランク、Bランクの得意先に対する営業予定をどうするか?
  • 実際の営業結果がどうであったか?
  • 結果をうけて、今後の営業方針をどうするか?

という点にフォーカスして議論を重ねることで、営業担当者が明確な目的をもって日々の営業を行えるようになるとともに、社長や営業責任者は、営業担当者の行動を的確に把握することができるようになります。

実際に営業でアプローチする際には、ポイント1のチェックリストなどを使いながら、得意先が今どのような課題を抱えているか?何に困っているか?に焦点を当てながら情報収集する、など営業担当者が日々の営業において明確な目標をもって行動できるように会議で共有しておくことも重要となります。(これがないと、漠然と営業活動をしてしまい、時間のムダとなってしまうことが往々にあります)

ポイントの1~3までで共通していえることが、限られた営業リソースを有効に使うために、漠然とした営業を行うのではなく、ターゲットを絞り込み、営業目的を絞り込み、戦略的な行動をすることで、最大限の営業効果を発揮して頂きたいという点です。

営業業務の見直しにおいては、上記のポイントに留意しながら、再点検してみてください。