製造業が業務を見直す際のチェックポイント ~営業その1~

多くの製造業、特に中小、零細規模の会社において、営業に大きな課題を抱えているケースをよく見てきました。

特に、これまでは大手企業の下請け型のビジネスを展開していたり、商社経由で販売していたりという会社において、売上は得意先からの受注があって初めて成り立つものとの過去からの流れから、なかなか自社で営業して売上を伸ばしていくというイメージを持てない会社が多いのではないかと思います。

今回は、このような会社が多いなかで、中小製造業の会社が積極的に営業を行い、自ら売上を創り出していくために、営業に係る業務をどのように見直していく必要があるのかについて、書いてみたいと思います。

ポイント1 営業に対する考え方を変える

まず、一番大きな問題は、営業に対する考え方です。

これまで、特に下請け型として事業展開してきた会社の経営者から、「ウチはそもそも営業なんてしても意味ない」とか、「営業なんてしてもしなくても一緒」という話をよく聞きます。

そのような会社では、「営業」という機能がほとんどないということもよくあります。

これは、かなり大きな問題です。

確かに、大手企業との過去からの関係から、今後5年、10年先まで受注が約束されているような会社であれば、それでもいいのかもしれません。

しかし、私たちのクライアント様において、主要顧客からの受注の減少が原因となって、業績が急激に悪化した会社や、ここ数年は赤字が続いているという会社を多く見ている中で、このような考え方は、非常に危険だと感じています。

大手企業も常にコスト削減に取り組んでおり、少しでも調達価格が下がるのであれば、協力会社に対して、値下げ要求を強めたり、場合によっては大幅に取引を縮小することがよくあるという現実がある中で、「ウチは下請けだから営業なんかできない」といっている場合ではないと思います。

まずは、営業に対する考え方を変えてしっかりと営業していくことで、将来へのタネまきをすることの重要性を十分に認識していくことがポイントとなります。

ポイント2 営業するターゲットを絞り込む

次に、営業するとしても、「どこに対して営業していったらいいのか、よくわからない」ということになる方もいらっしゃると思います。

いろいろ考えても、結局これまでの延長線上で、話をしやすい得意先に対して、「なんか仕事があったら回してよ」みたいな営業になってしまいがちです。

これでは、なかなか現状を変えていくだけの営業の成果を出すことは難しいと思います。

例えば、今の取引先が大小合わせて100社ある場合、どこに営業をかけていけばいいのかわからないということになると思いますが、この中から、しっかりと営業をしていく先を絞り込んでいって、営業の焦点を合わせていくことが重要となります。

ここでどのような会社にターゲットを絞り込んでいけばよいのか?ということなりますが、一例としては、既存の取引先の中で、最も自社を評価してくれている会社をイメージして、その会社に近い得意先を選んで絞り込むという方法があります。

自社を評価してくれているとは、例えば

  • 値下げ要求が小さい
  • クレームが少ない
  • 利幅が確保できている
  • 自社の競合先との比較をあまり出してこない
  • 共同して研究・開発をしている

などがあげられます。

このような得意先をいくつか挙げてみて、その会社に近いイメージの会社(既存の得意先に限らず、新規も)をターゲットとして絞り込むことも一案です。

ポイント3 営業ツールを用意する

また、営業を実際にする場面になって、困ることがあります。

それは、

「営業の時に何を話したらいいか、わからない・・・」

ということです。

とりあえず世間話をしてみて、最後に、「何か仕事があったらよろしくお願いします。」ということが営業になってしまっていたら、なかなか新しい受注にはつながらないでしょう。

そこで、重要になるのは、「営業ツール」です。

これがあるとないとでは、営業のしやすさが全然違ってきます。

営業ツールとは、単なる「会社案内」や製品や商品の「パンフレット」とは違います。

営業ツールとして、よくできたものは

  • 自社の事業内容や会社概要
  • 自社の強み、他社よりも優れたポイント
  • 自社の具体的な実績
  • 自社と取引をすることのメリット
  • 課題を引き出すチェックリスト

このあたりを簡潔明瞭に記載した資料、A4で6~10ページくらいの資料です。

ポイントは、売り込みは一切せず、自社の特徴と営業先の課題を聞き出しながら、次回訪問につなげるためのやり取りをスムーズに行うためのサポート資料に仕上げる、という点です。

営業の時のよくある失敗は、初回訪問で自社の売り込みをしたけど、反応がイマイチで次回訪問のアポがとれないということです。

このような失敗をなくすために、可能な限り営業先にギブをしながら、自社と付き合っていたら何か得になることがあるかもしれないと思ってもらうための営業を行うことが重要となります。

しっかりとした信頼関係を構築するまでは、売り込みを全くせずに、とにかく得になる情報を与え続ける、それを誰がやってもスムーズできるような営業ツールを用意するということが、営業で成果を出すためのポイントとなります。