飲食店を開業する前に確認するべき営業許可のチェックポイント

飲食店を開業するためには、飲食店の営業許可を申請し、取得する必要があります。営業許可の取得には、いくつかの要件があり、これをクリアした店舗や調理施設を選んだり、営業許可を得るための資格を取得しておかなければなりません。

今回は、飲食店の営業許可を得るために事前に確認しておくべきポイントをチェックしましょう。

飲食店の種類

独立開業して、カフェやレストランなどの飲食店を営業するには、 許可申請書を提出して許可を取得する必要があります

法律上、飲食店は、「飲食店営業」と「喫茶店営業」に分かれています。

形態業態

飲食店営業

一般食堂、料理店、すし屋、そば屋、旅館、仕出し屋、弁当屋、レストラン、カフェ、バー、キャバレーその他食品を調理し、または施設を設けて客に飲食させるもの。

喫茶店営業

喫茶店など他設備を設けて酒類以外の飲物または茶菓子を客に飲食させるもの。

両者の違いは、飲食店営業では、食品の調理ができるのに対して、喫茶店営業では食品の調理ができないことです。

飲食店の営業許可を取得するためには、営業施設の基準を満たすことと食品衛生責任者を置くことが必要となります。

まずは、営業施設の基準からみていきましょう。

営業施設の基準

飲食店や喫茶店営業では、営業施設の基準を満たさないと営業許可を取得できません。

営業施設の基準には、大きく分けて共通基準特定基準の2つがあります。

営業施設の共通基準

まずは、営業許可の基準のうち、業種に関わらず適用される共通基準をみていきます。共通基準は、「営業施設の構造」「食品取扱設備」「給水及び汚物処理」の3つあります。この3つの基準をそれぞれ満たすことが求められます。

建物や施設について、いろいろな条件をクリアしないといけません。自治体によって基準は若干違いますが、大きくは異ならないことから、今回は東京都の例をご紹介します。詳細は、出店される自治体にご確認ください。

それでは、ひとつずつみていきましょう。

営業施設の構造の基準

営業施設の構造についての基準は、建物や壁、床、天井など建物に付属する設備に関する基準です。

  • 施設は清潔な場所に位置されていること。
  • 建物は、鉄骨、鉄筋コンクリート、木造造りなど十分な耐久性を有する構造であること。
  • 使用目的に応じて、壁、板などにより適切に区画されていること。
  • 面積は、取り扱い量に応じた広さであること。
  • 床は、タイル、コンクリートなどの耐水性材料で排水がよく、清掃しやすい構造であること。
  • 内壁は、床から1メートルまで耐水性で清掃しやすい構造であること。
  • 天井は、清掃しやすい構造であること。
  • 照明の明るさは50ルクス以上であること。
  • 換気は、ばい煙、蒸気等の排除設備(換気扇等)であること。
  • 周囲の地面は、耐水性材料で舗装し、排水がよく、清掃しやすいこと。
  • 洗浄設備は、原材料、食品や器具等を洗うための流水式洗浄設備で、1槽の大きさ(内径)のめやすは45cm(幅)×36cm(奥行)×18cm(深さ)以上であること。
  • 従事者専用の流水受槽式として、手洗い設備と手指の消毒装置があり、手洗器の外径のめやすは、36cm(幅)×28cm(奥行)以上であること。
  • 更衣室は、清潔な更衣室又は更衣箱を作業場外に設けること。

食品取扱設備の基準

食品取扱設備についての基準は、調理に必要な器具や設備を規定する基準です。

  • 器具等の整備は、取扱量に応じた数の機械器具及び容器包装を備えていること。
  • 器具等の配置は、作業に便利で、清掃及び洗浄をしやすい位置に配置してあること。
  • 保管設備は、原材料、食品や器具類等を衛生的に保管できること。
  • 器具等の材質は、耐水性で洗浄しやすく、熱湯、蒸気又は殺菌剤等で洗浄が可能なものであること。
  • 冷蔵庫内や調理場内には、温度計を設置すること。

給水及び汚物処理の基準

給水及び汚物処理についての基準は、水まわりや衛生管理に関する基準です。

  • 給水設備は、水道水又は飲用的と認められる水を豊富に供給できるものであること。
  • 貯水槽を使用する水、井戸水等を使用する場合は、年1回以上、水質検査を行い、成績書を1年間保存すること。
  • トイレは、作業場に影響のない位置及び構造で、従事者に応じた数を設け、使用に便利なもので、ねずみ、昆虫などの防除設備、専用の流水受槽式手洗い設備、手指の消毒装置を設ける。
  • 手洗い設備は従業員専用手洗い設備と同じ。床には排水溝を設ける。汲取口、浄化槽のマンホール等が食品取扱施設に影響しない場所にあること。
  • 汚物処理設備は、ふたがあり、耐水性で十分な容量があり、清掃しやすく、汚液や汚臭が漏れないものであること。

営業施設の特定基準

上記の営業施設の共通基準の他に、業種ごとに定められている施設基準があります。これを営業施設の特定基準と言います。

ここでは、飲食店で設けられている基準を紹介します。

飲食店における営業施設の特定基準

  • 冷蔵設備は、食品を保存するために、十分な大きさを有する冷蔵設備を設けること。
  • 洗浄設備は、洗浄槽は、2槽以上とすること。ただし、自動洗浄設備のある場合又は食品の販売に付随するものであって、当該食品の販売に係る販売所の施設内の一画に調理場の区画を設け、簡易な調理を行う場合で衛生上支障ないと認められるときは、この限りでない。
  • 給湯設備は、洗浄及び消毒のための給湯設備を設けること。
  • 客席は、客室及び客席には、換気設備を設けること。
  • 客室及び客席の明るさは、10ルクス以上とすること。
  • お客様用のトイレを設けること。ただし、客に飲食させない営業については、客用便所を必要としない。
  • お客様用のトイレは、調理場に影響のない位置及び構造とし、使用に便利なもので、ねずみや昆虫等の侵入を防止する設備を設けること。また、専用の流水受槽式手洗い設備があること。

食品衛生責任者の設置

次に、もう一つの要件であった食品衛生責任者の設置です。

食品衛生責任者とは、その営業施設で衛生管理を行い、施設と食品の衛生管理、従業員の衛生面での教育をする責任者であり、飲食店を営業する場合には、必ず各施設に1人置かなければなりません。

食品衛生責任者の取得方法

食品衛生責任者の取得方法は2つあります。

まず1つが、各都道府県で実施している食品衛生講習会に参加することです。講習会に参加すれば食品衛生責任者を取得することができます。

2つ目が、食品を取り扱う資格を取得することです。例えば、調理師、栄養士、製菓衛生師などの資格を取得すれば、食品衛生責任者に就くことができます。

調理師などの資格を持っていない場合は、食品衛生講習会に参加することがお手軽なのでオススメです。