最大72万円受給!中小企業で活用できる両立支援等助成金が使えます

SNSなどでも非常に取り組みやすい、と有名になっている厚生労働省の助成金があります。

この助成金は「両立支援等助成金」といい、仕事と家庭の両立支援や女性の活躍に取り組む事業者を対象として支給される助成金で、毎年内容が変更されながら継続されている助成金です。

中小企業が取り組みやすく、かつ最大で72万円受給できるというこの両立支援等助成金の出生時両立支援コースについて、ご紹介してみたいと思います。この助成金を自社で活用してみる、又は取引先や知り合いに教えたりすると喜ばれるいい助成金ですので、ぜひご一読ください。

両立支援等助成金の出生時両立支援コースとは?

まずは、両立支援等助成金の出生時両立支援コースがどのようなものかということについてご紹介します。

平成29年度の両立支援等助成金には6つのコースが用意されており、特にその中で「出生時両立支援コース」という制度が、中小企業(個人事業主含む)でも取り組みやすく、かつ助成金の金額も大きいと注目を集めています。

実際に弊社においても、該当する状況で、該当する男性従業員がいるため、現在この助成金の申請手続きを進めています。

両立支援等助成金の6つのコース

平成29年度の両立支援等助成金では、以下の6つのコースが用意されています。

今回は、2の出生時両立支援コースのご紹介になりますが、その他のコースも気になった場合には、厚生労働省のHPなどで詳細を確認してみてください。

  1. 事業所内保育施設コース
  2. 出生時両立支援コース
  3. 介護離職防止支援コース
  4. 育児休業等支援コース
  5. 再雇用者評価処遇コース
  6. 女性活躍加速化コース

出生時両立支援コースってどんな制度?

出生時両立支援コースは、男性従業員が育児休業を取得しやすい環境風土作りに取り組み、男性従業員に育児休業を取得させた事業主に対して、最大72万円を助成する制度です。

まさに、このコースは男性従業員の育休取得を促進することが主な狙いとなっています。

こちらは、出生時両立支援コースの厚生労働省のパンフレットですが、中小企業の場合は57万円、さらに生産性要件を充たす場合には72万円が支給されます。

なお、中小企業の区分と生産性要件は後ほどご紹介します。

中小企業の定義

中小企業かそうでないかは、「資本金又は出資の額」と「常時労働者数(常時雇用する従業員の数)」で判定され、下の表のいずれかの条件に該当する事業主が中小企業となります。

なお、資本金等のない事業主(個人事業主など)については、常時雇用する労働者の数により判定します。

助成金増額のための「生産性要件」

近年、企業の生産性向上が政策として重要視されており、生産性を向上させた企業が雇用関係助成金を利用する場合には、助成金の額が増額されること多いです。

今回の両立支援等助成金では、助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、以下のいずれかの要件を充たす場合、助成金が増額されます。

  1. その3年前に比べて6%以上伸びていること
  2. その3年前に比べて1%以上伸びており、かつ金融機関から一定の事業性評価を得ていること

生産性は、次の算式によって計算されます。

なお、事業性評価とは、管轄の労働局が、助成金を申請する事業主の承諾を得た上で、事業の見立てを与信取引等のある金融機関に照会し、その回答を参考にして、割増し支給の判断を行うものです。

つまり、3年前から生産性が6%伸びている場合には助成金が増額されますし、仮に3年前から生産性が6%伸びていなくても、今後の事業性があると判断される場合にも助成金が増額される仕組みになっています。

助成金を受けるための要件

出生時両立支援コースの助成金を受けるためには、

  1. 過去に男性従業員が育児休業を取得したことがないような事業者が、
  2. 育児休業を取得しやすい職場環境を整え、
  3. 男性従業員が実際に、一定期間内に、一定日数以上の育児休業を取得し、
  4. 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定している場合、

という要件を充たすことが必要となります。

具体的には、以下の5つの要件を全て充たしていることが求められます。

  1. 支給対象となった男性労働者の育児休業の開始前3年以内に連続14日以上(中小企業は連続5日以上)育児休業を取得した男性労働者がいない。
  2. 平成28年4月1日以降、男性が育児休業を取得しやすい職場風土作りのために次のような取り組みを行った(なお、支給対象となる男性従業員の育児休業の開始日の前日までに取り組みを行っていることが必要)。
    • 男性従業員を対象にした育児休業制度の利用を促進するための資料等の周知
    • 管理職による、子が出生した男性従業員への育児休業取得の勧奨
    • 男性労働者の育児休業取得についての管理職向けの研修の実施
  3. 雇用保険の被保険者として雇用している男性従業員に、子の出生後8週間以内に開始する連続14日以上(中小企業は連続5日以上)の育児休業を取得させた。
  4. 育児・介護休業法第2条第1号に規定する育児休業の制度及び育児のための短時間勤務制度について、労働協約または就業規則に規定している。
  5. 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、その旨を都道府県労働局長に届け出ている。また、その一般事業主行動計画を公表し、労働者に周知するための措置を講じている。

なお、実際に申請するに際しては、上記の他にも検討ポイントがありますので、助成金の申請の手引きなどでご確認されることをおすすめします。

一般事業主行動計画ってなに?

一般事業主行動計画とは、次世代育成支援対策推進法に基づき、企業が、期間雇用者などを含む全従業員の仕事と子育ての両立を図るために策定する計画のことです。

企業が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むに当たって、①計画期間、②目標、③目標達成のための対策及びその実施時期を定めるものです。

こちらも文字だけで読むと作成するのが難しそうに見えますが、厚生労働省のHPにも「モデル行動計画」のひな形が約10パターンほどありますので、自社にあったひな形を使って作成すると、意外に簡単に作れるかもしれません。

なお、厚生労働所のHPからダウンロードした「育児をしている社員が多いが、長時間労働になりがちな会社(モデル計画B)」のひな形はこのようなものになります。

意外と簡単に作れそうというイメージを持っていただけると思います。

まずは助成金の書類作成をしてみましょう

以上が、両立支援等助成金の出生時両立支援コースの概要となります。

読むと大変そうですが、書類の作成を開始してしまえば、そこまで手間はかからない印象です。

また、助成金の額も、中小企業の場合57万円と大きく、さらに生産性要件を充たせば72万円に増額されるため、申請するメリットも大きいです。

最近よく言われる働き方改革の一環として、労働環境の改善を行い、助成金の申請に取り組んでみてはどうでしょうか。